浦和駅近く消化器内科・乳がん検診 ミモザクリニック|埼玉県さいたま市の消化器内科、乳がん・胃がん・大腸がん検診

医療コラム

梅雨の漢方薬

こんにちは。埼玉県さいたま市浦和駅西口ミモザクリニック院長です。
6月にはいり「梅雨」のシーズンになりました。浦和のみなさま、体調を崩していませんか?
梅雨時は、気圧の変化や湿度の高まりから、なんとなく体が重だるい、頭が重い、頭痛がひどい、あるいは下痢や腹痛が続くといった「なんとなくの不調」を感じやすい時期でもあります。
今回は、そんな梅雨時期をのりきる漢方と薬膳について書いてみようと思います。

1. 梅雨の不調を紐解く「水」

東洋医学には、自然界の湿気が体に悪影響を及ぼす「湿邪(しつじゃ)」という考え方があります。湿気が体内に溜まると、水の巡りが滞り、さまざまな不調を引き起こすとされています。
西洋医学的な視点で見れば、これは自律神経の乱れや、気圧低下に伴う体内の水分バランスの変化(むくみ)に関連していると考えられます。特に女性はホルモンバランスの影響で皮下脂肪が多く、筋肉量が少ない傾向にあるため、男性に比べて水分を排出する力が弱く、むくみを感じやすいのが特徴です。

2. 梅雨の不調によく使われる漢方薬

漢方医学では、個々の体質(証)に合わせて処方を選びますが、この時期によく用いられる代表的な処方をご紹介します。

五苓散(ごれいさん)
「水滞(すいたい)」、つまり体内の水分分布が偏っている状態を改善する代表的な漢方薬です。
・適応:低気圧に伴う頭痛、むくみ、めまい、暑気あたり、下痢、嘔吐。
・エビデンス:近年の研究では、脳の「アクアポリン」という水分子の通り道に作用し、脳のむくみを調整する可能性が示唆されています。無理に水分を出すのではなく、バランスを整える(利水)のが特徴です。
六君子湯(りっくんしとう)
胃腸の働きを助け、湿気による食欲不振を改善します。
・適応:胃もたれ、食欲不振、消化不良、胃痛、嘔吐。
・エビデンス:胃適応性弛緩による胃の貯留能改善、胃の排出能改善、食欲亢進ホルモンであるグレリンの分泌を促す作用などが動物実験で確かめられています。日本消化器病学会のガイドライン等でも、機能性ディスペプシア(検査で異常がないのに胃の不調が続く状態)への有効性が認められている、非常に信頼性の高い処方です。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
いわゆる「水太り」タイプの方に適しています。
・適応:汗をかきやすい、体が重だるい、関節痛、むくみ。

3. 取り入れてみたい薬膳

人の身体には、点滴や注射などの特殊な場合を除いて、当然ながら口から食べたものだけが入っていきます。日常口にするもので、体調を管理できると薬もいらなくなるかもしれません。日ごろから、季節の食材を食べて、体調を整えていきましょう。
薬膳と聞くと「特別な食材が必要」と思われがちですが、身近に手に入る食材で、今日からできる工夫をご提案します。

水分を排出する利尿作用と、脾の働きを強める作用をもつ食材
  • ①紫蘇(大葉):大葉は、漢方での生薬名は「蘇葉(そよう)」、もしくは「紫蘇葉(しそよう)」です。発汗作用や解熱作用、胃液の分泌を良くして胃腸の働きを整える作用、魚介類による食中毒時の解毒・予防などが期待されています。そのため、風邪の症状や胃腸の不調などの症状に良いです。紫蘇の香りは気の巡りをよくするため、イライラを防ぎます。
  • ②生姜(しょうが): お腹を温め、消化を促進します。
  • ③玉ねぎ:カリウムが体内のナトリウム濃度を下げ、水分を排出するため、塩分の摂りすぎによるむくみを解消します。生で食べると高い血液サラサラ効果と利尿作用を期待できます。
  • ④長芋(山薬):長芋は漢方での生薬名は「山薬(さんやく)」と呼ばれ、体内の余分な水分を除いてむくみを解消するほか、胃腸の働きを高め、消化吸収を助けます。
  • ⑤豆類:脾の働きを強めて、体内の湿気を払うのにおすすめなのが豆類。身体の余分な水分を排泄して、脾を健やかに保ちます。
    枝豆: サポニンが含まれており、むくみ解消に役立ちます。
    とうもろこし:カリウムが豊富で強力な利尿作用があるため、体内の余分な水分や塩分を排出し、むくみ解消に非常に効果的です。

★今夜のレシピ★

お蕎麦はいかがでしょう?
大葉、みょうが、ショウガ、ネギをたっぷりかけて。
それから、とろろそばで。
余裕があれば、天ぷらも。
枝豆とトウモロコシの天ぷらと、長芋の天ぷら、サツマイモの天ぷら、大葉の天ぷら。。。
どれも、利尿効果の高い食べ物です。冷えの気になる方は、温かいお蕎麦で食べてくださいね。

4. 院長からのメッセージ:長く続く体調不良には必要な検査を受けましょう。

梅雨時のだるさや重だるさは、多くの場合、季節的な変化によるものです。しかし、もし「ずっと胃の重みが取れない」「便通の異常が続いている」といった症状がある場合、それを「単なる湿気のせい」で済ませてしまうのはリスクがあります。梅雨時の胃腸不良の陰に、慢性胃炎やピロリ菌感染、あsるいは大腸疾患、肝臓、すい臓などの内臓疾患、甲状腺機能の異常などが隠れていることもあります。40代を過ぎたら、一度受診していただき、胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコーなどによる正確な診断を受けることをお勧めします。
じめじめした季節、体調管理に気を付けてお過ごしください。

 

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