内視鏡検査
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
食道・胃・十二指腸のことを上部消化管といいます。胃カメラは、先端に小型カメラ (CCD)を内蔵した太さ10mm程度の細長い管を鼻または口から挿入し、これら上部消化管の内部を直接観察し、診断や治療を行うものです。
(1) 経鼻内視鏡:鼻から入れる胃カメラ
経鼻用のスコープは先端が5.8mm(鉛筆の直径は7-8mm)と非常に細くて軟らかいため、鼻から挿入することができます。鼻から入れるとスコープの先端が舌の奥(舌根部)を刺激せず入っていくのでオエッとなる嘔吐反射が抑えられます。鼻が狭い、鼻血が出やすい、痛みが強い方は口から入れる検査(経口内視鏡)に変更することもあります。経鼻内視鏡は、内視鏡で治療するときに使用する一部の処置具は細くて入りませんので、基本的にはクリニックや検診施設などで、定期的に上部消化管をスクリーニングする際に使用されることが多いです。
(2)経口内視鏡:口から入れる胃カメラ
口からスコープを入れて検査する方法です。病院や専門施設では太く、詳細な検査の可能なスコープを使用し、異常が疑われたところをズームアップして、観察するため精度の高い検査が可能となります。また、治療の際には様々な処置具の使用が必要なため、太いスコープが必要となり、口からの検査となります。太いスコープを口から入れるため、スコープがのどを通る際の苦痛は強くなりますので、鎮静剤を使用しての検査をすることも多いです。当院のように、経鼻用の内視鏡を口から挿入する場合は、経口内視鏡、経鼻内視鏡での精度の違いはありません。
胃カメラは、以下のような消化管の病気や状態を診断するのに有効です。
胃カメラは診断だけでなく、治療にも用いられます。主に病院で太いスコープを用いて行われることが多いです。以下に代表的な治療方法を紹介します。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、消化管の状態を詳細に把握し、早期に病気を発見・治療するための重要な検査方法です。当院では直径5.8oの最新の経鼻用スコープを用いて検査を行います。鎮静剤の使用のない方には、患者様用のモニターをリアルタイムに見ていただき、説明しながらの検査になります。ご希望の方には鎮静剤の使用も可能です。胃カメラを定期的に受けることで、消化管の健康を維持し、早期発見・早期治療に努めましょう。
<当院の検査のながれ>
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、カメラの先端に小型カメラ(CCD)を内蔵した細長い管をおしり(肛門)から挿入し、大腸の中を直接観察し、診断や治療を行う検査です。組織の一部をとって調べたり(生検)、ポリープを切除(ポリペクトミー)することも可能です。当院では10mm以下のポリープはその場で切除しますが、10oを超えるもの、がんを疑うもの、抗凝固剤を内服の方などは、近隣の基幹病院に速やかにご紹介いたします。
(1)事前診察
検査を安全に行うために、まずは受診していただき、必要であれば採血検査やその他の検査を行います。受診してから、検査の予約、説明をいたします。
(2)検査の前処置
大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空にしなければなりません。検査の予約の際に渡される説明書に従い準備してください。ご自宅での下剤の内服に心配があれば、当日院内での下剤内服も可能です。検査前数日は避けていただきたい食べ物があります。検査食を選択していただくことも可能です。当日の朝は食事を食べずに下剤を内服し検査の準備をしてください。
(3)検査当日のながれ
下剤を説明書通りに飲んでいただき、便がきれいになりましたら、指示された時間にご来院ください。検査室で着替えていただきます。
鎮静剤希望の方は点滴を入れて、検査室へご案内します。
検査用のベッドで横向きに寝ていただきます。腸管の緊張を和らげる薬や鎮痛薬、鎮静薬を肩もしくは点滴から注射します。カメラをおしり(肛門)から挿入します。鎮静剤を使用していない方はモニターで検査中の画像を観ることも可能です。
鎮静剤を使用することで、患者さんはリラックスした状態で検査を受けることができます。利点としては不安や不快感を軽減し、検査をスムーズに行うことができます。欠点として鎮静剤使用後は一定時間の安静が必要であり、検査当日は自転車、車の運転などは控える必要があります。また、当日検査結果の説明をうけても記憶がないこともよくみられます。その場合は後日再診していただき、再度結果を説明いたします。