浦和駅近く消化器内科・乳がん検診 ミモザクリニック|埼玉県さいたま市の消化器内科、乳がん・胃がん・大腸がん検診

乳腺の症状

乳房のしこり

乳房に触れるしこりには、乳がんのほか、乳腺の良性腫瘍(線維腺腫、乳腺嚢胞など)、皮下脂肪の塊、乳腺症などがあります。基本的に乳がんと、一部の良性腫瘍以外は治療の必要はありません。

房内に触れるしこりの大部分は、乳がんとは関係のない良性の病変です。乳腺のしこりの主なものについて、解説します。

@ 乳腺線維腺腫

乳腺線維腺腫とは、乳房の代表的な良性腫瘍です。10歳代後半〜40歳代でよく見られます。ころころとした比較的柔らかいしこりで触るとよく動きます。マンモグラフィや超音波などの画像検査やその後の組織検査で線維腺腫と診断された場合は、特別な治療の必要はありません。乳がんになることもありません。閉経後には自然に縮小してしまうことも多いですが、急速に増大する場合は摘出することもあります

A 葉状腫瘍

線維腺腫に似ていますが、急速に大きくなることが多い腫瘍です。ほとんどの葉状腫瘍は良性ですが、なかには良性と悪性の中間のものや、悪性のものもあります。通常は摘出が必要で、治療の原則は手術による腫瘍の完全摘出です。針生検の検査結果だけでは乳腺線維腺腫と区別がつかないこともあり、臨床経過から葉状腫瘍が疑われる場合は摘出が勧められます。

B 乳腺炎

乳腺炎とは、乳汁が滞ったり、細菌感染によって起こる乳房の炎症で、赤く腫れたり、痛み、しこりなどの症状がみられます。熱がでることもあります。特に授乳期には、母乳が乳房内にたまり炎症を起こす、うっ滞性乳腺炎が多くみられます。乳頭から細菌が侵入すると化膿性乳腺炎となります。抗生剤の内服で改善する場合もありますが、ひどいときは、皮膚を切開して、うみを出しやすくする処置が行われることもあります。
また、陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)の人や喫煙者で、乳輪下にうみがたまることがあります(乳輪下膿瘍)。これは、治りにくい乳腺炎のため、手術が必要になる場合があります。これらの乳腺炎は乳がんの発症とは直接関係ありません。ただし、痛みがないのに乳房が腫れる場合は、炎症性乳がんといって、炎症症状を呈する、まれな乳がんであることがありますので、このような場合には受診をお勧めします。

C 乳腺症

いわゆる乳腺症は、20〜40 歳代の女性に多くみられる乳腺のさまざまな良性変化をひとくくりにして呼ぶときの総称です。病理学的には、乳腺の良性変化には嚢胞(のうほう)、乳管内乳頭腫、腺症など、さまざまな病態が含まれており、それが乳腺の一部に集まるとしこりとして触知されることがあります。痛みや、異常乳頭分泌などを伴うこともあります。乳腺症には、主として卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンというホルモンがかかわっており、閉経後に卵巣機能が低下すると、これらの症状は自然に消失します。片側あるいは両側の乳房に、境界不明瞭なしこりとして触れることが多く、月経前に増大し、月経後に縮小します。痛みも伴うことがありますが、月経周期と連動します。乳腺症に伴う異常乳頭分泌の性状はサラッとした水のような漿液性、乳汁様あるいは血性など、さまざまです。透明、白色、淡黄色の乳汁の場合には、ほとんど問題はありませんが茶色、赤色などの血性乳頭分泌がみられた場合には、乳がんが隠れている可能性もあるので詳細な検査が必要になります。月経周期と連動するしこりや痛みはあまり心配する必要はありませんが、月経周期に関係のないしこりに気づいたら医療機関を受診してください。

乳房の痛み

乳房の痛みは多くはホルモンによる影響です。乳がんでないことが多いですが、しこりがある、分泌物が出た、ひきつれがあるなどの症状を伴う場合、受診し、検査することをお勧めします。

乳房の痛みの原因は、痛みのほとんどはホルモンによって起こります。女性は月経周期に伴って、ホルモンバランスが変化し続けます。実際に、女性の50%以上が月経と一緒に乳房痛を感じるとも報告されています。月経に伴う乳房の痛みは、黄体期から現れ、月経が始まる日まで、乳房の痛みが続くことが多いです。痛みは7日以上続き、睡眠や社会生活、性生活に悪影響を及ぼします。排卵時に痛む場合もあります。また、閉経後に多く見られる、月経とは関係のない痛みもあります。痛みは多岐にわたり、一部分だけ痛むこともあれば、乳房全体が痛むケースもあります。外傷や炎症など、はっきりとした原因がない場合は、原因を見つけるのが難しく、近年では、ホルモンの変化が原因になるのではないかとも考えられています。また、帯状疱疹、肋間神経痛などで痛みの起こるケースもあります。
痛みを訴えて「乳がんではないか?」と受診される方が多いですが、乳房に痛みがある場合、乳がんではないことが多いです。
しかし、まれに乳腺炎と間違えやすい炎症性乳がんなどの病気がある場合もありますので、自己判断は危険です。乳がんの可能性が全くないとも言い切れないので、乳がん検診は定期的に受けましょう。また、普段からご自身でしこりや分泌物がないかをチェックしてください。「しこりがある」「分泌液が出た」「皮ふのひきつれがある」などの症状がありましたら、受診し、検査を受けることをお勧めします。

乳頭からの分泌物

乳頭異常分泌の原因は様々なものがあります。多くは良性疾患ですが、茶色、赤色の分泌物がでたときは乳がんの可能性があり、検査が必要ですので、外来を受診してください。

妊娠・授乳中でもないのに、乳頭から分泌物が出ることがあり、乳頭異常分泌といいます。乳頭異常分泌の原因として、乳管内乳頭腫、乳腺症といった乳房の良性疾患、乳がん、内服薬によるもの、そのほかのホルモン異常などがあげられます。
抗うつ薬、高血圧・胃潰瘍の薬などの副作用による乳頭分泌は良く知られています。また、甲状腺疾患やピルの服用で起こることもあります。両方の乳頭から多量に分泌液がでるときには、「脳下垂体腫瘍」というまれな腫瘍が原因のことがあります。
出産後、断乳しても数年、乳汁分泌が続くことがあります。その場合、プロラクチンというホルモンが高い時があり、不妊の原因となることがあります。

分泌物が透明・黄色・白・白濁したものの場合は、女性ホルモンのバランスの乱れによるものがほとんどで、心配ないことが多いです。しかし、血が混じったような赤色・茶色のものでは、乳腺の良性の腫瘍が原因であることも多いのですが、乳がんの可能性もあり、詳しい検査が必要となります。
乳頭異常分泌は、乳腺の疾患で起こることが多く、一度乳腺外科を受診して診察を受けることをお勧めします。

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