クリニック紹介

このたび、浦和駅すぐの立地にご縁があり、女性の検査のハードルを下げることをコンセプトとしたクリニックを開業いたしました。
消化器内科医、内視鏡医として20数年仕事をしてきました。
群馬県立がんセンター時代は画像診断医として勤務し、乳腺の画像診断に多く携わりマンモグラフィ読影認定医、乳がん検診超音波検査実施・判定医の資格も取得いたしました。
日々、お仕事、家事、子供のこと、と忙しくする中で、あれ、これちょっと病院に行ったほうがいいかな、検査したほうがいいのかな、と思うようなこともあるかとは思います。
健診結果で引っかかって、受診しなければ…と思っても、病院受診はハードル高く、躊躇することも多いかもしれません。
お子さんの体調やイベントで後回しになることもあるでしょう。
おしりから血が出ている、胸にしこりがある気がする、赤い分泌物が出る等、症状があるときは、できるだけ早く受診していただきたいと思っています。
血便がでているのを痔のせいかもしれない、少し様子を見ようと、数年経過し、腸閉塞をきたした直腸がんの患者様や、胸のしこりは前からあったけど検査がこわくて受診せず、進行がんになってしまっていた乳がんの患者様などを診てきました。
厚生労働省の発表している最新のデータでも、女性のがんの罹患の1位は乳がん、そして死亡の1位は大腸がんです。
いずれのがんも早期に見つかれば完治が可能な疾患です。
心配なことがあれば早めに受診していただきたい、そんな思いで今回、クリニック開業を決意しました。
総合内科専門医としての知識、経験もあります。検診結果で気になることがあれば、まずご相談いただければと思います。
さいたま市の胃がん検診、大腸がん検診、乳がん検診も行っていく予定です。
みなさんの「まずは受診してみようかな」と思う、最初のクリニックに選んでいただければ幸いです
院長 小林倫子
経歴
資格


受付

診察室

内視鏡室

マンモグラフィ室

エコー室

レントゲン室

処置室

下剤内服室

相談室


消化器内科

内科

乳腺科/乳がん検診

予防接種

(1)組換えワクチン(シングリックス 2回接種:1回目から2か月あけて2回目を接種)
定期予防接種 個人負担:18,200円/回
自費:25,000円/回
(2)生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン ビケン 1回接種)
定期予防接種 個人負担:5,000円
自費:9,000円

便秘薬との正しい付き合い方 第二弾 ~「体質」を重視する漢方薬の選び方~
皆さん、こんにちは。ミモザクリニック院長の小林倫子です。
前回のコラムでは、便通異常症診療ガイドラインに基づいた西洋薬(浸透圧性下剤や上皮機能変容薬など)による便秘治療の考え方についてお話ししました。
今回は、便秘治療の選択肢として多くの方に選ばれている漢方薬について、その特徴と、西洋医学とは異なる「体質」を重視した選び方をご紹介します。
漢方薬は、便秘治療においても大変有効な選択肢です。ただし、2023年の「便通異常症診療ガイドライン」では、まず西洋薬による治療を優先し、漢方薬は代替・補助的な使用とすることが推奨されています。西洋薬が便の水分調節や腸の運動促進といった「症状」に直接アプローチするのに対し、漢方薬の治療の最大の特徴は、便秘を全身の病態の一つの表現として捉える点です。
便秘は、大腸運動の異常、知覚異常、ストレスなどのたくさんの要因が関係しています。漢方薬の便秘に対する治療の特徴は、便秘そのものに対する治療だけではなく、便秘を精神的状態も含めた症状・症候の病態の一つの表現として捉え、全身の病態を治そうと考慮に入れて薬を選択します。また、漢方薬はたくさんの要因に同時にアプローチできるので、時に西洋薬より有効なことがあります。
漢方薬には、主に以下のような働きを持つ生薬が複数含まれ、症状や病態に応じて使い分けられます
| 瀉下(しゃげ)作用 | 大黄(だいおう)、芒硝(ぼうしょう) |
整腸作用 |
膠飴(こうい)、人参 |
潤腸作用・水分分泌促進 |
麻子仁(ましにん)桃仁、杏仁 |
腸管運動の促進 |
乾姜(かんきょう)、生姜(しょうきょう)、山椒(さんしょう) |
腸管の過剰収縮の緩和 |
芍薬(しゃくやく)、厚朴(こうぼく) |
例えば、瀉下作用を持つ大黄の主成分は、刺激性下剤のセンノシドであり、腸内細菌によって活性化され、腸管運動を亢進させます。また、麻子仁は、西洋薬のルビプロストンやリナクロチドと同様に、腸管の水分分泌を促進し、便秘を改善する働きが報告されています。乾姜・生姜の主成分であるショウガオールは消化管内の受容体を介して腸管血流を増加させ、その結果、消化管運動の亢進をもたらすことがわかっています。
漢方薬を選ぶ上で重要となるのが、患者さんの体質や体力、抵抗力を示す「虚実(きょじつ)」の判断です。便秘の漢方治療も、この「実証」と「虚証」に分けて考えるとよいといわれています。
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実証 |
虚証 |
体力・抵抗力 |
十分にある、充実している |
虚弱で衰えている |
体型 |
筋肉質 |
やせ、水太り |
おなかの状態 |
腹力つよい、肋弓角が広い |
腹力弱い、やわらかい |
便の状態 |
太くつながった便 |
コロコロした兎糞状の便 |
眼、声 |
力がある |
力がない |
皮膚 |
色、つやがよい |
色、つやが悪い |
大黄の主成分はセンノシドであり、これは、便通異常症診療ガイドラインで頓用、頓服での使用が推奨されていることから、大黄の有無にわけて処方を考えてみます。
臨床的に、実証の便秘には、大黄や芒硝といった瀉下作用の強い生薬を含む漢方薬がよく使われます。
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漢方薬 |
生薬 |
特徴 |
実証 |
大柴胡湯 |
柴胡、半夏、芍薬、大棗、枳実、生姜、大黄、黄芩 |
頑丈な体格で上腹部全体が張って抵抗があるもの(胸脇苦満)、心窩部の不快な感じ(心下急)を訴える便秘に有効。 |
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防風通聖散 |
黄芩、甘草、桔梗、石膏、白朮、大黄、荊芥、山梔子、芍薬、川芎、当帰、薄荷、防風、麻黄、連翹、生姜、潤石、芒硝 |
臍を中心として服力が充実した、肥満、太鼓腹の人に有効。 |
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桃核承気湯 |
桃仁、桂皮、大黄、甘草、芒硝 |
月経痛、月経前症候群、のぼせ、不眠、精神不穏、目の下のクマなどの瘀血(おけつ)の症状があり、臍傍の圧痛を認める人の便秘に有効。 |
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調胃承気湯 |
大黄、甘草、芒硝 |
大黄甘草湯に芒硝を加えたもの。芒硝は硫酸ナトリウムで塩類下剤である。 |
虚実中間証 |
大黄甘草湯 |
大黄、甘草 |
実証の便秘の第一選択薬。効果が不十分な場合、芒硝(硫酸ナトリウム)を含む調胃承気湯を試みる。虚実中間証で幅広く使用。 |
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麻子仁丸 |
大黄、枳実、杏仁、厚朴、芍薬、麻子仁 |
皮膚の乾燥、口が乾く、などを訴える高齢者や虚弱な人の兎糞状のコロコロした便がでる常習性便秘に有効。滋潤作用のある麻子仁、杏仁が含まれており、便を軟らかくする働きを持つ。 |
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潤腸湯 |
地黄、当帰、黄芩、枳実、杏仁、厚朴、大黄、桃仁、甘草、麻子仁 |
麻子仁丸と同様に便を軟らかくする作用をもつが、より乾燥の強い人に使う。 |
虚証 |
桂枝加芍薬大黄湯 |
芍薬、桂皮、大棗、甘草、大黄、生姜 |
芍薬は平滑筋に対する鎮痙、鎮痛作用があり、消化管の痙攣性収縮を伴う腹痛に適応される。おなかが張って便がすっきりせず、便意があるにもかかわらず、便がほとんど出ない、あるいは少量しか出ない状態が頻繁に続く人に使う。便秘型過敏性腸症候群の第一選択薬。 |
虚証の便秘では、瀉下作用の強い薬を使うと腹痛や激しい下痢が見られることがあるため、消化管の運動機能を改善させたり、便を軟らかくする生薬を含む漢方薬で治療します。
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漢方薬 |
生薬 |
特徴 |
やや実証 |
桂枝茯苓丸 |
桂皮、芍薬、桃仁、茯苓、牡丹皮 |
肩こり、めまい、頭痛のみられる、のぼせ傾向のある赤ら顔のひとに用いる。臍傍の圧痛をみとめる。 |
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桂枝加芍薬湯 |
芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜 |
便秘下痢交代型の過敏性腸症候群の第一選択薬。消化管の過剰収縮による臍周囲から下腹部の疝痛をきたすときに有効。腹痛を伴う便通異常で生じる腹部膨満感に有効。 |
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加味逍遙散 |
柴胡、芍薬、当帰、茯苓、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷、蒼朮 |
女性の更年期症状(疲労感、自律神経失調症状や精神神経症状など)に伴う、軽症な便秘に有効。 |
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当帰芍薬散 |
芍薬、蒼朮、沢瀉、当帰、茯苓、川芎 |
おなかが柔らかく、むくみやすい、四肢が冷えて、めまい、貧血傾向にあり、瘀血を伴う軽症の便秘に有効。 |
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小建中湯 |
芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜、膠飴 |
桂枝加芍薬湯に膠飴(麦芽糖)を加えた処方で桂枝加芍薬湯の適応病態よりさらに虚弱、腹痛が激しい時につかう。虚弱体質で精神的な緊張がつよく、腹直筋がはる便秘に有効。胃腸虚弱な小児の便秘や繰り返す腹痛にも効果がある。 |
虚証 |
大建中湯 |
人参、山椒、乾姜、膠飴 |
腸管蠕動運動の低下によりガスが貯留する便秘。腹壁に腸管の蠕動亢進がわかり、腹部全体にガスが貯留して腹鳴、腹部膨満感がある人の腹痛や便秘に使用。冷え性の人に多い。 |
漢方薬は、体質や現在の症状、全身の状態を総合的に判断して選ぶことが重要です。自己判断で選んでしまうと、効果が得られなかったり、かえって体調を崩してしまう可能性もあります。
「西洋薬が合わなかった」「体質から改善したい」という方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。西洋医学の知識と漢方薬の考え方を組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な治療をご提案いたします。
便秘薬との正しい付き合い方 ~スッキリ快適な毎日へ~
皆さん、こんにちは。院長の小林倫子です。
開業して3か月がたちました。おかげさまで、少しずつ当院に来院される方が増えてきています。中でも便秘や下痢といった排便習慣に悩む方が多いと感じています。
今回のコラムでは、多くの人が悩んでいるけれど、なかなか相談しにくい「便秘」についてお話したいと思います。そして、その強い味方となる「便秘薬」との正しい付き合い方について、一緒に考えていきましょう。
近年、便秘治療に関する医学的な知見は大きく進歩しており、2023年には新たな「便通異常症診療ガイドライン」が策定されました。このガイドラインでは、患者さんの状態に応じた最適な便秘薬の選び方が示されています。今回は、この最新のガイドラインに基づき、当院で推奨する便秘薬の考え方や種類について、分かりやすく解説していきます。
2023年の「便通異常症診療ガイドライン」では、慢性便秘症の治療について、まず生活習慣の改善や食事指導を行い、それで改善が見られない場合に内服薬を使用することが推奨されています。具体的には、最初に「浸透圧性下剤」を使用し、それでも効果が不十分な場合は「上皮機能変容薬」や「胆汁酸トランスポーター阻害薬」の使用が推奨されています。刺激性下剤や浣腸は、必要な時にだけ(頓用)使用することが勧められています。
このガイドラインで特に推奨されている薬剤は以下の通りです。
ガイドラインでは、まずマグネシウム製剤を使用し、効果が不十分な場合にPEGやラクツロースを使用するのが便秘治療の一般的な流れとされています。

便秘薬は、適切に使えばつらい便秘の症状を和らげてくれる心強い味方です。しかし、使い方を誤ると、かえって症状を悪化させたり、薬なしでは排便できなくなったりすることもあります。
便秘は一人で抱え込まず、ぜひ医療機関にご相談ください。当クリニックでは、皆さんの「スッキリ快適な毎日」をサポートできるよう、これからも様々な情報発信をしていきたいと考えています。
薬価については一般的に使用する量の1日当たりの薬価を記載しています。
患者様によって使用する量は異なりますので、必ずしも以下の通りではないことはご理解ください。
こちらで紹介している表はスクロールしてご覧いただけます。

初期治療
| 種類 | 一般名(商品名) | 作用時間 | 薬価(平均的1日量) | |||
| 浸透圧性下剤 | 塩類下剤 | 酸化マグネシウム (酸化マグネシウム®) |
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8~10時間 | 浸透圧で水分を引っ張って便を柔らかくして緩下作用を示す。 *高Mg血症に注意 *PPIやH2blockerなど胃酸抑制する薬と併用すると作用減弱 |
6T/日 34.2円 |
| 糖類下剤 | ラクツロース (ラグノスNF経口ゼリー®) |
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1~3日 | 浸透圧で水分を引っ張って便を柔らかくして緩下作用を示す。 | 4P/2x 198円 | |
| 高分子化合物 | ポリエチレングリコール (モビコール®) |
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1~3日 | 浸透圧で腸管内の水分量を増加させ、便の軟化や増加が引き起こされ、大腸の蠕動運動が亢進する。併用注意や身長投与もない。 2歳から服用可能。 |
LD 4P/1~2x 245円 HD 2P/1~2x 221円 |
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初期治療無効の場合 併用も可
| 種類 | 一般名(商品名) | 作用時間 | 薬価(平均的1日量) | |||
| 上皮機能変容薬 | ルビプロストン (アミティーザ®) |
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8~24時間 | 腸管内にClイオンを分泌して水分分泌を促す。 *妊婦禁 *若年女性に悪心の副作用が起きやすい。 *粘膜バリアを修復する機能があることから、NSAIDsやPPIを服用している患者に選択 |
4T/2x 193円 | |
| リナクロチド (リンゼス®) |
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3~24時間 | 腸管内にClイオンを分泌して水分分泌を促す。c GMPにより腸管粘膜下の感覚神経を抑制し、内蔵感覚過敏を改善させる作用ももつ。*下痢になりやすい。*効果が強く出すぎるため食前投与 | 2T/1x食前 129円 | ||
| 胆汁酸トランスポーター阻害薬 | エロビキシバット (グーフィス®) |
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5時間程度 | 回腸での胆汁酸の再吸収を抑制し、腸管内の胆汁酸量を増加し、Clイオンの分泌が促され、便が柔らかくなる。大腸の感覚神経に作用し蠕動をおこす。 *胆汁酸分泌前の食前投与*腹痛おこりやすい。*糖尿病患者などの腸管運動低下例に選択 |
2T/1x食前 160円 | |

代替・補助治療薬 併用も可
| 種類 | 一般名(商品名) | 作用時間 | 薬価(平均的1日量) | |||
プロバイオティクス |
整腸薬 |
ラクトミン製剤(ビオフェルミン®) |
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乳酸や酪酸を生成し、腸内細菌叢を正常化し、下痢、便秘、腹部膨満感などの腹部症状を改善する。 |
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膨張性下剤 |
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ポリカルボフィルカルシウム |
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合成高分子化合物で、水分を吸収し、膨潤、ゲル化、便の水分バランスをコントロールする。ポリカルボフィルカルシウムは過敏性腸症候群の下痢型、便秘型どちらにも有効。 |
3T/3x 食後 28.2円 |
消化管運動機能改善薬 |
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モサプリドクエン酸(ガスモチン®) |
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緩下剤としての保険適応はないが、腸運動亢進作用から緩下効果をもつ。 |
3T/3x 31.2円 |
漢方薬 |
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大黄を含まないもの |
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大建中湯、桂枝加芍薬湯、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸など |
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大黄を含むもの |
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7~12時間 |
大黄甘草湯、桃核承気湯、調胃承気湯、防風通聖散、潤腸湯、麻子仁丸、桂枝加芍薬大黄湯、大柴胡湯など |
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オンデマンド治療(頓服、頓用)
| 種類 | 一般名(商品名) | 作用時間 | 薬価(平均的1日量) | |||
| 刺激性下剤 | センノシド ピコスルファートナトリウム (ラキソベロン®) |
![]() ![]() |
7~12時間 | 腸内細菌や消化管内の酵素により活性化され、大腸の筋層間神経叢に対して蠕動運動を促進し、腸管からの水分の吸収を抑制し瀉下作用を示す *長期連用は耐性や習慣性が生じる可能性があるため慎重に処方すべき。 *長期連用で大腸黒皮症(メラノーシス)をおこす *耐性、習慣性を避けるため、できるだけ頓用、短期間での投与とすることが望ましい。 |
2T/日 11.8円 1ml/回 14.5円 |
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| 外用薬 | 坐剤 | 炭酸水素ナトリウム・無水リン酸に 水素ナトリウム (新レシカルボン坐剤®) |
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20分~2時間 | 直腸に挿入後、溶解して炭酸ガスを発生、直腸壁を直接刺激し便排出を促す。 | 1個/回 73.7円 |
| 浣腸 | グリセリン(グリセリン浣腸液®) | ![]() |
直ちに~10分 | 直腸に物理的刺激をあたえ、蠕動を高めることで排便を促す。 | 120ml/166.5円 | |
治療方法や薬剤について、効果には個人差がございますので、まずは一度医師にご相談ください。