医療コラム

繰り返すそのお腹の張り、本当にただの「便秘」ですか?
~女性の部位別がん死亡数1位、大腸がんと向き合うための最新ガイドライン~
こんにちは。さいたま市浦和駅西口で「女性の検査のハードルを下げる」ことをコンセプトに診療を行っております、ミモザクリニック院長です。
浦和で忙しく働く女性や、ご家族を支える30代〜60代の女性の皆様。「お腹が張るけれど、いつもの便秘だから」「市販薬を飲めばなんとかなる」と、ご自身の不調を後回しにしていませんか?
『便通異常症診療ガイドライン2023』によると、便秘は単なる体質ではなく、将来の寿命(長期生命予後)にも関わる重要なサインであることが明らかになっています。「新しい便秘の常識」と、私たちが最も警戒すべき大腸がんのリスクについて、詳しく解説します。
最新のガイドラインでは、便秘の定義がより具体的に改訂されました。「便秘」とは、単に回数が少ないことだけではなく、「本来排泄すべき糞便を快適に排泄できない状態」を指します。
具体的には、以下の状態が組み合わさったものを指します。
たとえ毎日排便があっても、無理に出していたり、スッキリしなかったりする場合は「便秘症」の可能性があります 。
たとえ毎日出ていても、強くいきまないと出なかったり、スッキリしなかったりするのであれば、それは治療が必要な「便秘症」かもしれません。
これまで便秘は「命に別状はないもの」と思われがちでした。しかし、最新の研究では、便秘が心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)による死亡リスクを高める可能性が示唆されています。腸内環境を整えること、また、それにより便通を整えることは、立派な「アンチエイジング」であり「予防医療」なのです。

私たちが診療で最も気を配るのは、その便秘が「狭窄性(きょうさくせい)器質性便秘症」ではないかという点です 。これは、大腸がんや腸の炎症によって通り道が物理的に狭くなっている状態です。
ガイドラインでは、以下の「警告症状・兆候」がある場合、速やかに大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることを強く推奨しています 。
日本人女性にとって、大腸がんは部位別死亡原因の第1位です。「私は便秘体質だから」という思い込みが、早期発見の機会を奪ってしまうことが最も恐ろしいのです。
ガイドラインでは、闇雲に下剤を飲むのではなく、段階を踏んだ治療が推奨されています。
【医学的にわかっていないこと】
「便秘が続くと腸内に毒素が溜まってがんになる」という俗説もありますが、これについては医学的に明確な因果関係はまだ立証されていません。「(進行した)がんのせいで便秘になる」ことは事実であり、それを見分けられるのは検査だけです。
「お尻の検査は恥ずかしい」「大腸カメラは大変そう」……そのお気持ち、よくわかります。
しかし、その一歩を踏み出せないことで、守れるはずの健康を損なってほしくありません。
ミモザクリニックでは、女性の検査のハードルを下げるよう、以下の点に気を配り、診療を行っています。
埼玉県にお住いの、自分自身のことは二の次になりがちな30代から60代の女性の皆様、お腹の張りや便秘は、体からの大切なサインです。
「この程度で相談してもいいのかな?」と迷う必要はありません。
大切なのは、今の自分の状態を正しく知ることです。便秘、下痢、血便でお悩みなら、一度受診をしてみてください。
参考文献:
日本消化管学会編:便通異常症診療ガイドライン 2023(慢性便秘症・慢性下痢症)
伊原栄吉ほか:日内会誌 113:1948~1954, 2024