浦和駅近く消化器内科・乳がん検診 ミモザクリニック|埼玉県さいたま市の消化器内科、乳がん・胃がん・大腸がん検診

医療コラム

便秘薬との正しい付き合い方 ~スッキリ快適な毎日へ~

皆さん、こんにちは。院長の小林倫子です。
開業して3か月がたちました。おかげさまで、少しずつ当院に来院される方が増えてきています。中でも便秘や下痢といった排便習慣に悩む方が多いと感じています。
今回のコラムでは、多くの人が悩んでいるけれど、なかなか相談しにくい「便秘」についてお話したいと思います。そして、その強い味方となる「便秘薬」との正しい付き合い方について、一緒に考えていきましょう。

近年、便秘治療に関する医学的な知見は大きく進歩しており、2023年には新たな「便通異常症診療ガイドライン」が策定されました。このガイドラインでは、患者さんの状態に応じた最適な便秘薬の選び方が示されています。今回は、この最新のガイドラインに基づき、当院で推奨する便秘薬の考え方や種類について、分かりやすく解説していきます。

最新のガイドラインが示す便秘治療の流れ

2023年の「便通異常症診療ガイドライン」では、慢性便秘症の治療について、まず生活習慣の改善や食事指導を行い、それで改善が見られない場合に内服薬を使用することが推奨されています。具体的には、最初に「浸透圧性下剤」を使用し、それでも効果が不十分な場合は「上皮機能変容薬」や「胆汁酸トランスポーター阻害薬」の使用が推奨されています。刺激性下剤や浣腸は、必要な時にだけ(頓用)使用することが勧められています。

便秘薬の種類を知ろう~ガイドラインで推奨される薬剤~

このガイドラインで特に推奨されている薬剤は以下の通りです。

ガイドラインでは、まずマグネシウム製剤を使用し、効果が不十分な場合にPEGやラクツロースを使用するのが便秘治療の一般的な流れとされています。

頓用での使用が推奨される薬剤

便秘薬の作用部位について

便秘薬を上手に使うには

便秘薬は、適切に使えばつらい便秘の症状を和らげてくれる心強い味方です。しかし、使い方を誤ると、かえって症状を悪化させたり、薬なしでは排便できなくなったりすることもあります。

おわりに

便秘は一人で抱え込まず、ぜひ医療機関にご相談ください。当クリニックでは、皆さんの「スッキリ快適な毎日」をサポートできるよう、これからも様々な情報発信をしていきたいと考えています。

<便秘の治療薬のまとめ> 2025年現在

薬価については一般的に使用する量の1日当たりの薬価を記載しています。
患者様によって使用する量は異なりますので、必ずしも以下の通りではないことはご理解ください。

こちらで紹介している表はスクロールしてご覧いただけます。

初期治療

種類 一般名(商品名)   作用時間   薬価(平均的1日量)
浸透圧性下剤 塩類下剤 酸化マグネシウム
(酸化マグネシウム®)
8~10時間 浸透圧で水分を引っ張って便を柔らかくして緩下作用を示す。
*高Mg血症に注意
*PPIやH2blockerなど胃酸抑制する薬と併用すると作用減弱
6T/日  34.2円
糖類下剤 ラクツロース
(ラグノスNF経口ゼリー®)
1~3日 浸透圧で水分を引っ張って便を柔らかくして緩下作用を示す。 4P/2x 198円
高分子化合物 ポリエチレングリコール
(モビコール®)
1~3日 浸透圧で腸管内の水分量を増加させ、便の軟化や増加が引き起こされ、大腸の蠕動運動が亢進する。併用注意や慎重投与もない。
2歳から服用可能。
LD 4P/1~2x 245円
HD 2P/1~2x 221円

初期治療無効の場合 併用も可

種類 一般名(商品名)   作用時間   薬価(平均的1日量)
上皮機能変容薬 ルビプロストン
(アミティーザ®)
8~24時間 腸管内にClイオンを分泌して水分分泌を促す。
*妊婦禁
*若年女性に悪心の副作用が起きやすい。
*粘膜バリアを修復する機能があることから、NSAIDsやPPIを服用している患者に選択
4T/2x 193円
リナクロチド
(リンゼス®)
3~24時間 腸管内にClイオンを分泌して水分分泌を促す。c GMPにより腸管粘膜下の感覚神経を抑制し、内蔵感覚過敏を改善させる作用ももつ。*下痢になりやすい。*効果が強く出すぎるため食前投与 2T/1x食前 129円
胆汁酸トランスポーター阻害薬 エロビキシバット
(グーフィス®)
5時間程度 回腸での胆汁酸の再吸収を抑制し、腸管内の胆汁酸量を増加し、Clイオンの分泌が促され、便が柔らかくなる。大腸の感覚神経に作用し蠕動をおこす。
*胆汁酸分泌前の食前投与*腹痛おこりやすい。*糖尿病患者などの腸管運動低下例に選択
2T/1x食前 160円

代替・補助治療薬 併用も可

種類 一般名(商品名)   作用時間   薬価(平均的1日量)

プロバイオティクス

整腸薬
発酵食品等

ラクトミン製剤(ビオフェルミン®)
酪酸菌(ミヤBM®)
ビフィズス菌(ラックビー®)

 

 

乳酸や酪酸を生成し、腸内細菌叢を正常化し、下痢、便秘、腹部膨満感などの腹部症状を改善する。

 

膨張性下剤

 

ポリカルボフィルカルシウム
(ポリフル®)

 

合成高分子化合物で、水分を吸収し、膨潤、ゲル化、便の水分バランスをコントロールする。ポリカルボフィルカルシウムは過敏性腸症候群の下痢型、便秘型どちらにも有効。

3T/3x 食後 28.2円

消化管運動機能改善薬

 

モサプリドクエン酸(ガスモチン®)
トリメプチンマレイン酸塩



 

緩下剤としての保険適応はないが、腸運動亢進作用から緩下効果をもつ。

3T/3x 31.2円
3T/3x 18.3円

漢方薬

 

大黄を含まないもの

 

 

大建中湯、桂枝加芍薬湯、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸など

 

大黄を含むもの

 

7~12時間

大黄甘草湯、桃核承気湯、調胃承気湯、防風通聖散、潤腸湯、麻子仁丸、桂枝加芍薬大黄湯、大柴胡湯など

 

オンデマンド治療(頓服、頓用)

種類 一般名(商品名)   作用時間   薬価(平均的1日量)
刺激性下剤 センノシド
ピコスルファートナトリウム
(ラキソベロン®)

7~12時間 腸内細菌や消化管内の酵素により活性化され、大腸の筋層間神経叢に対して蠕動運動を促進し、腸管からの水分の吸収を抑制し瀉下作用を示す
*長期連用は耐性や習慣性が生じる可能性があるため慎重に処方すべき。
*長期連用で大腸黒皮症(メラノーシス)をおこす
*耐性、習慣性を避けるため、できるだけ頓用、短期間での投与とすることが望ましい。
2T/日 11.8円
1ml/回 14.5円
外用薬 坐剤 炭酸水素ナトリウム・無水リン酸に
水素ナトリウム
(新レシカルボン坐剤®)
20分~2時間 直腸に挿入後、溶解して炭酸ガスを発生、直腸壁を直接刺激し便排出を促す。 1個/回 73.7円
浣腸 グリセリン(グリセリン浣腸液®) 直ちに~10分 直腸に物理的刺激をあたえ、蠕動を高めることで排便を促す。 120ml/166.5円

治療方法や薬剤について、効果には個人差がございますので、まずは一度医師にご相談ください。

 

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